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認知症の診断基準及び高次脳機能障害に関する研修会を開催しました

 コスモスふくおか2⽉定例研修は緊急事態宣⾔中の為、コスモス会員のみのZoomに よる研修とし、新しい試みとしてコスモス⻑崎の会員にも数名ご参加いただきまし た。冒頭Zoomの設定に時間がかかり受講者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫 びいたします。

 今回は「認知症の診断基準及び⾼次脳機能障害について」というテーマでお⼆⼈に 講義していただきました。最初にコスモスふくおかの⽥端 浩⼀会員より、命の危機 を感じるほどの交通事故に遭いながら⽣還し、⾼次脳機能障害と診断され、リハビリ などの闘病⽣活や記憶障がいと闘いながら⾏政書⼠試験に合格され、現在に⾄るまでの体験談をお話いただきまし た。

 ⾼次脳機能障害の症状には「記憶障がい」「遂⾏機能障がい」「注意障がい」「社会的⾏動障がい」等の症状が あり、⽥端会員⾃身もこれらの障がいに苦しみながらも、前向きに取り組みどのように克服されたかを話されまし た。⽥端会員の体験記録は、第52回NHK障害福祉賞優秀賞を受賞されています。講義の最後の⾔葉に「全ては⾃分 の捉え⽅次第『⼀⽇⼀⽣』今⽇も新しい⼈⽣が始まる。」とあり印象的でした。

 詳しくは次のHPに⼊選作品集と して掲載されていますので、ご確認ください。

 https://www.npwo.or.jp/info/6503 (NHK厚⽣⽂化事業団HPより)

 

 次に⾳成内科・内科クリニック院⻑の⾳成 ⿓司先⽣より、認知症の定義や主な疾患、症状について説明がありま した。アルツハイマー型認知症を65歳で発症した場合、脳に変化が始まる年齢は40歳からで、40代からの予防が 必要であり、この病気は1~2年かけてゆっくり進⾏し、当初は運動障害がないというのが特徴。

 診断で重要なの は臨床診断で、どのように進⾏してきたかやMRI/CTで脳の萎縮の程度を把握することが重要とのこと。海⾺を中 ⼼とした萎縮があるだけで、その他に異常がないのがアルツハイマー型認知症なので、その他に異常があれば、そ の他の病気を考えなければならないと話されました。

 また、認知症予防には「⼼、⻝事、運動」が⼤切で、例えば健康な⼈でも癌細胞は⼀⽇に3,000個~5,000個で き、これらの癌細胞を排除してくれるNK細胞は「笑う」ことによって活発になるそうで、笑顔と認知症の関係を 示したグラフで毎⽇の笑顔が認知症予防につながると話されていました。また認知症患者さんとの付き合い⽅として、フランス⽣まれの愛情溢れる認知症ケアの⼀つである「ユマニチュード」について紹介されました。認知症に ついて改めて学ぶとともに⽣活する上で⽇常の⼼がけについて再確認した研修でした。